Q.鼓膜切開をすると、中耳炎が癖になるって本当?

そのようなことは無いです。
クセになっている場合は他に原因があるかもしれません。

鼓膜切開とはどんな治療か

この治療は、中耳炎の炎症が強い、もしくは長引いている難治性のものなど、薬だけの治療では完治に時間を要する症状に対して効果的です。

鼓膜切開は外来処置として行われる為、一般的には局所麻酔で行われますが、子供や症状によっては全身麻酔で行われることもあります。

局所麻酔の場合は、患部へ注射する場合や、耳の中に液体を注ぎ、電流を流すような麻酔もあります。小さなお子さまの場合は、局所麻酔は注射が痛いことや、麻酔はかかっていても動ける為、子供が暴れて危ない点や、それらが原因で病院を嫌がってしまう可能性がある為、麻酔を選べる場合は全身麻酔をおすすめ致します。

麻酔が完了すると鼓膜への処置がはじまります。刃先2~3ミリほどの細いメスを使い、数鼓膜を数ミリ程度、小さく切り開きます。そしてその後、膿を吸引します。切開にはメスを使う場合もあれば、レーザーの場合もあります。
鼓膜切開はメスでの治療が一般的ですが、レーザーによる治療の利点はいくつかあります。それは、切開部分が塞がるまでに時間を要することから膿の排出のしやすさ、空気の通りやすさがあるといったものです。また、貯留液が多い場合、レーザーによる切開であればメスに比べて穴が塞がる時間が長い為、メスと違い再切開の必要がなくなります。

鼓膜切開が原因で中耳炎は癖にはならない

鼓膜切開をすることによって中耳炎が癖になることはありません。
鼓膜は膜とは呼ばれていても性質は皮膚と同じようなものである為、再生力は旺盛です。しかし、湿疹などによって弱っている肌の傷が治りにくいのと同じように、ごくまれではありますが、中耳炎によって膿が溜まり続け、鼓膜が裂けてしまった場合は鼓膜も弱くなってしまいます。すると、再生力が落ちて穴が残る場合もあります。

また、鼓膜切開をしたからと言ってその後の治療をしないでいると、治りたての鼓膜は内側に引っ込んでいる為、膿が溜まりやすくなってしまい、再発の可能性を高めてしまいます。その為に、治療を終えた後も医師が完治と判断するまでは通院をする必要があります。

鼓膜切開ではなく、その前後の状態によって再発や治りを遅くさせているのです。
また、部分麻酔をしていても痛みを伴う場合もあります。お子さまに痛くて怖い思いをさせない為にも、中耳炎は発症してからすぐに病院を受診しましょう。早めの治療であれば、薬と自宅で安静にしていることで完治することが多いため、医師に「完治しました」といわれるまで根気よく治療しましょう。

また、耳鼻科でも処置が行われますが、自宅でも鼻吸い器を使ってこまめに鼻水を吸引することで治りが早くなります。

 
 

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